30年あまりに渡った平成という時代が、終わりを迎えました。
みなさんもご認識のとおり、ファッションには流行り廃りがありますよね。「ブームは10年周期でサイクルする」とも言われますが、この平成の30年ほどの間にたくさんのブームがありました。技術や情報の進歩や発展、思考や感覚の変化や多様化など、さまざまな要因によりファッション情勢も動き続けています。そこで、ファッションの観点からみた平成という時代はどうだったのか・・・とネットサーフィンをしていたところ、おもしろい記事を見つけました。
平成ファッション史、ファストファッションが全てを飲み込んだ
バブル期や就職氷河期、そして人生100年時代といわれる現代まで、装うという「個」の表現は、どのように変化してきたのか。平成30年間のファッションを振り返った。(フリーエディター 小林由佳、画像提供/共立女子短期大学教授 渡辺明日香)
・ボディコンやDCブランドは「頑張る自分」の表れ?
・街のカジュアルファッションがオフィスにも
・トレンドキャッチはネットが中心に
・巨大潮流「ファストファッション」
・「Sサイズ神話」は過去のもの*リード、見出し、小見出しのみ
by DIAMOND online
こちらを読んでまとめてみました。
女性向けの内容になっている部分もありますが、「懐かしいな」「ああ、あったあったそんなの」みたいな感じで読みものとして楽しんでいただければと思います。残された平成の数時間、平成ファッション史の旅にお付き合いください。タイムマシーンに乗ったつもりで・・・。
平成初期はバブル後期のゴージャスファッションが席巻
「ボディコン」「DCブランド」って聞いたことありますか?hirostylingもそうですが、昭和生まれの僕たちは耳にしたことがあるワードです。平成生まれの方々には馴染みがないかもしれませんね。
ボディコン・・・ニットなど体に密着する素材を使って体線(ボディ・ライン)を強調している服(女性用ミニのワンピースが多い)またはボディラインを強調している体形。ボディ・コンシャス(body-conscious)「体を意識している」の略語。英語圏ではファッション以外にも遣われている。
DCブランド・・・1980年代に日本国内で広く社会的なブームとなった、日本の衣服メーカーブランドの総称である。「DC」とはデザイナーズ(Designer’s) & キャラクターズ(Character’s)の略とされる。
*Wikipediaより引用
とにかく働けば働くだけお金になる、といった時代。「羽振りがよかった」「タクシーチケットは当たり前」など、バブル時代を経験した人はみんな口をそろえて言いますよね。今となっては考えられません。ファッション=羽振りのよさの象徴という感じでしょうか。ゴージャスないでたちがおしゃれとされていた印象です。当時流行したファッションは「ギラギラしたもの」が多かったと思います。
オフィスファッションのカジュアル化
専門家もおっしゃっていますが、平成初期の頃からビジネスマンやOLだけでなく、若者の間でもファッションを楽しむ風潮が高まりました。「渋カジ」「ギャル系「裏原系」「ストリート系」って聞いたことありますかね。着る服や髪型、メイクなどファッションでの自己主張をすることが浸透した時代でした。
しかしながら、バブル崩壊後、様相は一変します。失業率の上昇や就職氷河期(僕の世代はモロに直撃w)の影響などにより、一気に節約志向へ。ゴージャスな洋服はいずこやら。
平成中期より、各企業が力を入れた施策は「カジュアルフライデー」「クールビズ」。動きやすさや環境への配慮などを意識したものでした。また、平成19年の男女雇用機会均等法改正により女性の制服着用が減少し、カーディガンにスカートのセットアップスタイルが誕生。男性はスーツスタイルだけではなく、ジャケットとパンツを組み合わせたドレスダウン(フォーマルな服装を崩してカジュアルに着こなす)なスタイルもオッケーとする企業もちらほらと出てきました。「ビジネスカジュアル」「オフィスカジュアル」といったワードが誕生したのもこの頃でしたね。
ファッションの情報源はインターネットが主流に
当然ながら、ファッションの流行にインターネットや情報技術の発展は大きく影響することに。
以前はファッション誌や店頭でなければ入手できなかった情報を、自宅で手軽にキャッチできるようになりました。おしゃれな有名人やモデルの着こなしをネットで見ることができるというのはまさに画期的。ファッション誌を買うとなるとハードルが上がり、誰でもできることではありません。ところがネットサーフィンは多くの人が日常的に行うものなので、ファッションがより身近なものになったといえます。
これが影響したのか、オフィスファッションのカジュアル化が進んでいきました。IT業界の躍進が拍車をかけたとも言われますが、『スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグなど、最先端企業のトップがパーカやデニムスタイルを徹底していたことで、ITやベンチャー系の企業を中心に、よりラフなオフィスファッションも定着していった』とは専門家の弁。堀江貴文氏なんかもそうでしたよね。
ファストファッションブームという大きすぎる波の到来
平成20年の世界同時不況を背景に、大旋風を起こした「ファストファッションブーム」。
今でも人気の大手ファストファッションブランドはこのブームの前から人気はありましたが、もともとはファストファッション=おしゃれという認識はなく、あくまでも安い価格で求められるだけの服というものでした。ところが、かつてない不況の影響でファッションにお金をかける人は減少。ここに目をつけたファストファッションブランドは、トレンドを取り入れたアイテムをリリース。以前は野暮ったいシルエットやデザインのものが多かったのですが、そんなイメージは一掃され、多くの人を取り込んだ一大ブームとなりました。
その波は平成の終わりを迎える今も継続していますよね。ユニクロ、GU、しまむらなどの日本ブランドや、GAP、ZARA、H&M、FOREVER21などの海外ブランドとも人気ですが、好みや目的に合わせてブランドを選ぶことができるようになりました。もはやファストファッションブランドだけでファッションは成り立つのでは?とも思えるラインアップであり、「服はユニクロでしか買わない」という人もいますよね。
令和時代のファッションはどうなっていくのか
平成の流れが続くのではないか、と考えています。
先に書いた「ファストファッションブーム」は一過性のブームではなく、定着するのでは・・・と思います。本当になんでも揃ってしまいますもんね。ファストファッション企業の方向性がガラリと変わらない限り、この傾向が続く可能性は濃厚です。
また、平成時代に誕生した「ネットショップ」や「ネットオークション」も忘れてはなりません。これらもどんどん進化を遂げていくのではないかとみています。「ZOZOスーツ」のような商品も精度が上がればすごいですよね。ネットオークションの先駆けといえば「ヤフオク」でしたが、平成後期に登場した「メルカリ」のブームは記憶に新しいところ。若者だけでなく、主婦層を取り込んだことに意義があります。これも一時のブームにとどまらないのでは、とみます。
hirostylingのようなごく一部のファッションオタクやファッションにこだわりのある人は、ファストファッションの潮流には飲み込まれずに独自路線を歩み続けるでしょう。もちろんファストファッションは取り入れていますが、インナーや部屋着、近所着がほとんどですね。婚活ファッションにおいては、全身ファストファッションというスタイルはできれば避けて提案したいものです。